○美作市消防救急業務規程

平成17年3月31日

消防訓令第21号

(目的)

第1条 この訓令は、消防法(昭和23年法律第186号。以下「法」という。)に基づく救急業務を行うために必要な事項を定め、救急業務の能率的運営を図ることを目的とする。

(定義)

第2条 この訓令において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 救急業務とは、法第2条第9項に定める救急業務をいう。

(2) 救急事故とは、法第2条第9項及び消防法施行令(昭和36年政令第37号。以下「政令」という。)第42条に定める救急業務の対象である事故をいう。

(3) 救急自動車とは、救急業務を行う自動車をいう。

(救急隊の編成及び配置)

第3条 消防長は、救急自動車並びに救急救命士(救急救命士法(平成3年法律第36号)第2条第2項に規定する救急救命士の資格を有する者)、救急隊員の行う応急処置等の基準(昭和53年消防庁告示第2号)第5条第2項に規定する者及び政令第44条第3項各号に定める者をもって救急隊を編成するよう努めるものとする。

2 救急隊は、救急自動車1台及び3人以上の救急隊員(以下「隊員」という。)をもって編成する。ただし、必要がある場合は、救急自動車以外の消防車両等をもって臨時に編成することができる。

3 隊員のうち1人を救急隊長とし、消防士長以上の階級にある者をもってこれに充てる。

4 救急隊の名称及び設置場所は、別表に定めるところによる。

5 救急駐在所救急隊の設置場所は、別に定める。

6 消防長は、救急隊員の行う応急処置等の基準第6条第3項に規定する応急処置のために必要な構造及び設備を有する救急自動車(高規格救急自動車)を配置するよう努めるものとする。

(救急隊員の資格)

第4条 隊員は、消防長が指定する救急業務に関する教育の課程を修了した消防職員でなければならない。

(救急隊員の選任)

第5条 消防署長(以下「署長」という。)は、前条に定める資格を有する消防職員のうちから、消防長の承認を得て隊員を選任するものとする。

(署長及び隊員の任務)

第6条 署長は、所属救急隊の行う救急業務を掌握し隊員を指揮監督する。

2 隊長は、上司の命を受けて救急業務に従事し、所属隊員を指導監督する。

3 隊員は、隊長の命を受けて救急業務に従事する。

(服装)

第7条 隊員は、救急業務に従事するときは、常に身体及び被服の清潔に留意するとともに、出動に際しては、美作市消防吏員の服制に関する規則(平成28年美作市規則第6号)の規定による被服、作業帽及び感染防護衣を着用するものとする。ただし、安全を確保する必要があると認めるときは、作業帽に代え保安帽(ヘルメット)を着用するものとする。

(服務の基準)

第8条 隊員は、次に定めるところによって救急業務を実施しなければならない。

(1) 傷病者を救護するに当たっては、言動を慎み、懇切を旨とし、市民の奉仕者としての信念を失わないこと。

(2) 常に救急の本旨に基づき、救急資器材を整備点検し、適切に運用すること。

(3) 救急知識及び救急技術の向上に努めること。

(4) 前3号に掲げるもののほか、救急業務の円滑なる実施を期するため、事象の把握に努めること。

(5) 業務上知り得た秘密を他へ漏らさないこと。

(研修訓練)

第8条の2 消防長は、救急に関する隊員の知識及び技術の維持向上を図るため、研修訓練を実施し、又は他の機関が実施する研修訓練に参加させるよう努めるものとする。

(救急自動車の要件)

第9条 救急自動車は、道路運送車両の保安基準(昭和26年運輸省令第67号)に定める緊急自動車の基準に適合し、かつ、次に掲げる構造及び設備を有するものとする。

(1) 隊員3人以上及び傷病者2人以上を収容し、かつ、第27条に定める資器材を積載できる構造のものであること。

(2) 4輪自動車であること。

(3) 傷病者を収容する部分の大きさは、次のとおりであること。

 長さ、1.9メートル、幅0.5メートル以上のベット1台以上及び担架2台以上を収納し、かつ、隊員が業務を行うことができる容積を有するものであること。

 室内の高さは、隊員が業務を行うのに支障がないものであること。

(4) 十分な緩衝装置を有するものであること。

(5) 適当な防音、換気及び保温のための装置を有するものであること。

(6) 前各号に掲げるもののほか、救急業務を実施するために必要な構造及び設備を有するものであること。

(高規格救急自動車の配置)

第10条 消防長は、救急隊員の行う応急処置等の基準第6条第3項に規定する応急処置のために必要な構造及び設備を有する救急自動車を配置するよう努めるものとする。

(救急自動車の標示)

第11条 救急自動車の側面には、消防署名を標示するものとする。

(救急隊の出動)

第12条 救急隊は、法第2条第9項に規定する救急業務を行う場合、又は消防長が必要と認める場合に出動するものとする。

(救急隊の出動区域)

第13条 救急隊の出動区域は、美作市消防警防業務規程(平成17年美作市消防訓令第7号)第6条第1項及び第2項に定めるところによる。

(出動指令等)

第14条 署長は、救急出動の要請を受けたときは、事故発生の場所、種別、傷病者の数及び災害の程度等を確かめ、直ちに救急隊を出動させるとともに消防長に報告しなければならない。ただし、前条ただし書の場合は、消防長の特命によるものとする。

(口頭指導)

第14条の2 消防長は、救急要請時に、美作地区消防指令センター又は現場出動途上の救急自動車等から、救急現場付近にある者に、電話等により応急手当の協力を要請し、その方法を指導するよう努めるものとする。

(現場活動)

第15条 隊長は、救急事故の現場に到着したときは、直ちに傷病者の状況を把握して必要な措置を施し、傷病の程度及び症状に応じた医療機関等に搬送するものとする。ただし、当該傷病者又はその関係者の希望による場合その他やむを得ないときは、適切な判断により他の医療機関等に搬送することができる。

(搬送を拒んだ者等の取扱い)

第16条 隊長は、傷病者若しくはその関係者が搬送を拒んだとき、又は傷病の程度が軽易で診療の必要がないと認められた場合は、これを搬送しないことができる。

(医師の要請)

第17条 隊長は、次の各号のいずれかに該当する場合は、速やかに救急現場に医師の派遣を要請し、必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

(1) 傷病者の状態からみて搬送することが容態を悪化させ、又は生命に危険であると認められる場合

(2) 傷病者の救助に当たり、救出活動に時間を要し、かつ、救急事故現場において、医師による診療が必要と認められる場合

(3) 傷病者の状態からみて搬送可否の判断が困難な場合

(4) その他救急現場において傷病者に対する医療行為を要すると認める場合

(死亡者の取扱い)

第18条 隊長は、傷病者が明らかに死亡していると認められるとき、又は医師が死亡していると診断した場合は、これを搬送しないものとする。

(関係者の同乗)

第19条 隊長は、救急業務の実施に際し、傷病者の関係者又は警察官等が同乗を求めたときは、必要に応じてこれを同乗させることができる。

(現場保存)

第20条 隊長は、救急事故の原因に犯罪の疑いがあると認められるときは、現場保存等に留意して救急活動をしなければならない。

(感染症の疑いがある場合の取扱い)

第21条 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成10年法律第114号)第6条に規定する一類感染症、二類感染症、新型インフルエンザ等感染症、指定感染症又は新感染症の疑いがある傷病者を搬送した場合は、署長は、隊員及び救急自動車等の汚染防止に留意し、直ちに所定の消毒を行い、この旨を消防長に報告するとともに当該傷病者に対する医師の診断結果を確認し、所要の措置を講ずるものとする。

(感染防止措置)

第21条の2 隊員は、傷病者の応急処置の実施に際し、感染のおそれがある場合は、救急用手袋、マスク、ゴーグル、靴カバー等の必要な装備を着用し、感染源に直接触れない措置を講ずるものとし、消毒機器を活用して傷病者及び隊員自身の感染防止に努めるものとする。

2 署長は、救急業務において隊員が感染症又はこれと疑われる傷病の感染源に曝露したときは、直ちに消防長に報告するとともに、当該隊員に対して医師の検診及び免疫剤の投与を行う等必要な措置を講ずるものとする。

(出動途上における救急事故)

第22条 隊長は、出動途上又は帰途において救急事故を覚知したときは、直ちに署長に報告し、その指示により行動しなければならない。

(傷病者が多数であると認めた場合の措置)

第23条 隊長は、救急事故の現場において、傷病者多数又は特異な救急活動を要すると認めたときは、直ちにその概要を署長に報告するとともに、救急活動上必要な措置を要請しなければならない。

2 署長は、救急事故が傷病者多数又は特異な救急活動を要するものであることが判明したときは、直ちに救急隊の運用その他必要な措置を講ずるとともに、関係機関と密接な連絡を行い、救急活動の円滑な推進を期さなければならない。

3 署長は、前項に掲げる救急事故の場合は、必要に応じ現場指揮を行うため自ら出動し、円滑な救急事故処理を図り、人命尊重の実をあげなければならない。

(関係機関への通報)

第24条 署長は、次の各号に掲げる場合には、それぞれ当該各号に定める者に対し、遅滞なくその旨を通報するものとする。

(1) 第18条若しくは第20条に掲げる場合、自殺行為、交通事故等で現に警察官の立会いがない場合又は搬送中傷病者が死亡した場合 当該事故発生地を管轄する警察署長

(2) 傷病者が生活保護法(昭和25年法律第144号)第6条に規定する被保護者若しくは要保護者と認められる場合又は行旅病人及行旅死亡人取扱法(明治32年法律第93号)第1条に規定する行旅病人であると認められる場合 当該傷病者が住民票を有する市区町村の担当部局

(3) 第21条に掲げる場合 当該傷病者の発生地を管轄する保健所長

(傷病者の家族等への連絡)

第25条 隊長は、傷病者の傷病の状況により必要があると認めるときは、その者の家族等に対し、傷病の程度又は状況等を連絡するよう努めるものとする。

(災害救助法における救助との関係)

第26条 この救急業務は、災害救助法(昭和22年法律第118号)が適用される場合にあっては、同法の規定による救助に協力する関係において実施するものとする。

(救急自動車に備える資器材)

第27条 救急自動車には、救急業務実施基準(昭和39年自消甲教第6号)別表第1に定める資器材及び同基準別表第2に定める資器材のうち必要と認めるものを備えるものとする。

(消毒)

第28条 署長は、次に定める区分に従い、救急自動車及び救急資器材の消毒を行わなければならない。

(1) 定期消毒

毎月1回定期的に行う消毒

(2) 使用後の消毒

使用後必要に応じて行う消毒

2 前項各号に定める消毒を実施したときは、救急車消毒実施表に該当事項を記入し、救急自動車内の見やすい位置に標示しなければならない。

3 第1項の規定による消毒を効果的に行うため、署所(消防力の整備指針(平成12年消防庁告示第1号)第2条第3号に規定する署所をいう。)には、消毒用資器材を備えるものとする。

(記録及び速報)

第29条 署長は、救急隊が救急事故に出場した都度隊長に救急出場報告書を記載させ、消防長に速報するとともに、救急隊の行動等に関する事項については、救急日誌に記載し、救急活動の適正を図らなければならない。

2 救急救命士は、救急救命士法施行規則(平成3年厚生省令第44号)第21条に定める救急救命処置を行った場合は遅滞なく所定の救急救命処置録に記載しなければならない。

(報告)

第30条 署長は、救急出動件数、搬送人員、医療機関への搬送状況その他当月の救急業務に関する状況を、翌月の15日までに消防長に報告しなければならない。

(救急即報)

第31条 署長は、救急事故が次の各号のいずれかに該当するときは、火災・災害等即報要領(昭和59年消防災第267号)により、速やかに消防長に報告しなければならない。

(1) 死者5人以上の救急事故

(2) 死者及び負傷者の合計が15人以上の救急事故

(3) 要救助者が5人以上の救助事故

(4) 覚知から救助完了までの所要時間が5時間以上を要した救助事故

(5) 前各号に掲げるもののほか、報道機関に取り上げられる等社会的影響度が高い救急・救助事故

(救急詳報)

第32条 署長は、前条各号のいずれかに該当するときは、救急事故等報告要領(昭和39年5月4日付け自消甲教発第18号)により、事故発生の日から5日以内にその詳細を消防長に報告しなければならない。

(医療機関等との連絡)

第33条 消防長は、管轄区域内の医療機関と救急業務の実施について、常に密接な連絡をとるものとする。

2 消防長は、医療機関における空床の状況等の情報については、必要に応じ、近接する他の消防本部の消防長相互に情報を交換するよう努めるものとする。

3 救急救命士は、救急救命処置の実施について、救急救命士法第44条の規定に基づく具体的な指示を行う医師又は医療機関と、常に密接な連絡をとるものとする。

(団体等との連絡)

第34条 消防長は、救急に関する事務を行っている関係団体等と救急業務の実施について情報を交換し、緊密な連絡をとるものとする。

(救急業務計画)

第35条 消防長は、特殊な救急事故が発生した場合における救急業務の実施計画を作成しておくものとする。

2 消防長は、毎年1回以上前項に定める計画に基づく訓練を行うものとする。

(救急調査)

第36条 消防長は、救急業務の円滑な実施を図るため、管轄区域について、次の各号に定めるところにより調査を行うものとする。

(1) 地勢及び交通の状況

(2) 救急事故が発生するおそれのある対象物の位置及び構造

(3) 医療機関等の位置及びその他必要な事項

(4) 前3号に掲げるもののほか、消防長が必要と認める事項

(市民に対する普及啓発)

第37条 消防長は、市民に対する応急手当の普及啓発活動を計画的に推進するよう努めるものとする。

(応援協定に基づく救急業務)

第38条 応援協定に基づく救急業務については、それぞれ協定で定めるところによる。

(傷病者搬送証明)

第39条 署長は、救急隊により搬送されたことの証明願い(様式第1号)があった場合は、傷病者搬送証明書(様式第2号)により証明することができる。

(指導救命士)

第40条 消防長は、岡山県指導救命士認定要領(岡山県救急搬送体制連絡協議会が定める要領をいう。)に基づき指導救命士の養成に努めるものとする。

2 指導救命士は、岡山県及び地域のメディカルコントロール体制の中で、医師と連携して救急業務を統括するとともに、次に掲げる役割を担うものとする。

(1) 救急救命士及び救急隊員の教育、研修及び指導

(2) 病院実習での指導及び院内研修の補助

(3) 救急活動における事後検証

(4) 岡山県メディカルコントロール協議会及び地域メディカルコントロール協議会への参画及び連絡調整

(5) 関係機関での講義及び指導

(6) 救急業務全般の管理監督及び必要に応じた指導

(7) その他消防長が必要と認める事項

(その他)

第41条 この訓令に定めるもののほか、必要な事項は、消防長が別に定める。

この訓令は、平成17年3月31日から施行する。

(平成18年3月29日消防訓令第8号)

この訓令は、平成18年4月1日から施行する。

(平成24年3月26日消防訓令第3号)

この訓令は、平成24年4月1日から施行する。

(令和4年3月31日消防訓令第8号)

この訓令は、令和4年3月31日から施行する。

別表(第3条関係)

救急隊の名称及び設置場所

名称

設置場所

本署救急隊

美作市消防署(本署)

大原救急隊

美作市消防署(大原出張所)

画像

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美作市消防救急業務規程

平成17年3月31日 消防訓令第21号

(令和4年3月31日施行)

体系情報
第11編
沿革情報
平成17年3月31日 消防訓令第21号
平成18年3月29日 消防訓令第8号
平成24年3月26日 消防訓令第3号
令和4年3月31日 消防訓令第8号