○美作市若年がん患者妊孕性温存治療支援事業助成金交付要綱

令和2年9月30日

告示第131号

(目的)

第1条 この告示は、将来子どもを産み育てることを望むがん患者が、生殖機能を低下させ、又は失わせるおそれのあるがん治療開始前に妊孕性を温存することで、将来に希望を持ってがん治療に取り組むことができるよう支援するため、経済的負担の軽減を図ることを目的として、妊孕性温存治療を行う者に対し、その要した費用の一部について、予算の範囲内において美作市若年がん患者妊孕性温存治療支援事業助成金(以下「助成金」という。)を交付するものとし、その交付については、美作市補助金等交付規則(平成17年美作市規則第187号。以下「規則」という。)に定めるもののほか、この告示の定めるところによる。

(定義)

第2条 この告示において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 妊孕性温存治療 生殖機能を低下させ、又は失わせるおそれのあるがん治療に際し、妊孕性を温存することを目的として行う、精子、卵子又は卵巣組織を採取し凍結保存するまでの一連の医療行為又は卵子を採取し受精させ、胚(受精卵)を凍結保存するまでの一連の医療行為をいう。

(2) 凍結保存の更新 妊孕性温存治療により凍結保存された精子、卵子、卵巣組織又は胚(受精卵)の凍結保存を維持するために必要な更新手続をいう。

(3) ガイドライン 『小児、思春期・若年がん患者の妊孕性温存に関する診療ガイドライン2017年版』(一般社団法人日本癌治療学会編)をいう。

(助成対象者)

第3条 助成金の交付の対象となる者(以下「助成対象者」という。)は、妊孕性温存治療又は凍結保存の更新(以下「妊孕性温存治療等」という。)を行った者であって、次の各号のいずれにも該当するものとする。

(1) 第6条に規定する申請の日において美作市に住所を有する者であって、妊孕性温存治療等開始日における年齢が満43歳未満のものであること。

(2) がん治療に際し、当該がん治療により生殖機能が低下し、又は失うおそれがあるとガイドラインに基づき医師に診断された者であること。

(3) 次に掲げる妊孕性温存治療等の区分に応じ、それぞれ次に定める医療機関においてこれを行ったものであること(患者の状態により医師の判断で妊孕性温存治療を中止した場合を含む。)

 精子の採取及び凍結保存(当該凍結保存の更新を含む。において同じ。) がん治療の担当医師又は妊孕性温存治療の担当医師から紹介を受けた医療機関

 卵子若しくは卵巣組織の採取及び凍結保存又は卵子の採取及び胚(受精卵)の凍結保存 公益社団法人日本産婦人科学会の示す「医学的適応による未受精卵子、胚(受精卵)及び卵巣組織の凍結・保存に関する見解」にのっとって妊孕性温存治療を行っていると認められる医療機関

2 前項の規定にかかわらず、次の各号のいずれかに該当する場合は、交付の対象としない。

(1) 妊孕性温存治療に係るものにあっては過去に、凍結保存の更新に係るものにあっては過去1年以内に、それぞれ当該助成金の交付を受けたことがある場合

(2) 妊孕性温存治療等の全部又は一部が、国民健康保険法(昭和33年法律第192号)その他医療保険各法の規定による保険給付の対象となる場合

(3) 妊孕性温存治療にあっては、その実施に当たり、妊孕性温存治療の主治医又はがん治療の主治医いずれかの同意が得られていない場合

(4) (受精卵)の凍結保存の更新にあっては、当該凍結保存を行った時点で婚姻状態にあった者と、凍結保存更新日において離婚している場合

(助成対象費用)

第4条 助成金の交付の対象となる費用(以下「助成対象費用」という。)は、妊孕性温存治療等の実施に要した費用とする。ただし、入院時の差額ベッド代、食事代等治療に直接関係のない費用その他市長が適当でないと認めるものを除く。

(助成金の額等)

第5条 助成金の額は、助成対象費用相当額とし、別表に定める額を上限として交付する。ただし、助成対象者が次に掲げる補助、助成等を受け、又は受けている場合は、助成対象費用相当額から当該補助、助成等の額を差し引いた額をもって助成金の額を算定するものとする。

(1) 岡山県又は美作市が実施する、特定不妊治療又は不妊治療に係る費用に対する助成

(2) 岡山県小児・AYA世代のがん患者等の妊孕性温存治療法研究促進事業に基づく助成等他の地方公共団体が実施する助成金と同趣旨の補助、助成等

(交付の申請)

第6条 助成金の交付を受けようとする者(その者が未成年である場合にあっては、その法定代理人)(以下「申請者」という。)は、妊孕性温存治療等終了後次項に定める申請期限までに、美作市若年がん患者妊孕性温存治療費支援事業助成金交付申請書兼請求書に次に掲げる書類を添えて、市長に提出しなければならない。

(1) 美作市若年がん患者妊孕性温存治療・凍結保存の更新実施証明書

(2) 妊孕性温存治療等に係る医療機関発行の領収書

(3) 妊孕性温存治療の場合にあっては、当該治療に関する証明書

(4) その他市長が必要と認める書類

2 前項の申請期限は、次の各号に掲げる妊孕性温存治療等が終了した時期の区分に応じ、それぞれ当該各号に定めるとおりとする。

(1) 当該年度の4月1日から12月31日まで 当該年度内

(2) 当該年度の1月1日から3月31日まで 当該妊孕性温存治療等が終了した日の翌日から起算して90日以内

(交付決定等)

第7条 市長は、前条の規定による申請があったときは、その内容を審査して交付の適否を決定し、美作市若年がん患者妊孕性温存治療支援事業助成金交付(不交付)決定(額確定)通知書により当該申請者に対して通知するものとする。

2 市長は、助成金の交付及び審査のために必要があると認めたときは、申請書の記載事項について、申請者、治療を受けた医療機関等に対して、聴取することができるものとする。

3 市長は、前項の規定により交付決定をする場合において、適正な交付を行うため必要があるときは、助成金の交付の申請に係る事項につき修正を加えて助成金の交付を決定することができるものとし、また、助成金の交付の目的を達成するために必要な条件を付することができるものとする。

(手続の省略)

第8条 規則第3条第4項の規定により、規則第16条から第18条までの手続を省略する。

(交付決定の取消し)

第9条 市長は、偽りその他の不正な手段により助成金の交付決定を受けたときは、交付決定の全部又は一部を取り消すことができる。

(助成金の返還)

第10条 市長は、前条の規定により助成金の交付決定を取り消した場合において、当該取消しに係る部分において既に助成金が交付されているときは、助成金の交付を受けた者に対し期限を定めて、返還させることができる。

(その他)

第11条 この告示に定めるもののほか、必要な事項は、市長が別に定める。

この告示は、令和2年10月1日から施行し、令和2年4月1日以後に開始した妊孕性温存治療又は当該妊孕性温存治療に係る凍結保存の更新について適用する。

(令和3年7月27日告示第112号)

(施行期日等)

1 この告示は、公示の日から施行し、令和3年6月1日から適用する。

(経過措置)

2 この告示の施行の日前に申請がなされたものに係る助成金については、なお従前の例による。

別表(第5条関係)

内容

上限額

妊孕性温存治療

卵巣組織の採取及び凍結保存

70万円

卵子の採取及び凍結保存又は卵子の採取及び胚(受精卵)の凍結保存

40万円

手術を伴わない精子の採取及び凍結保存

5万円

手術を伴う精子の採取及び凍結保存

25万円

凍結保存の更新

3万円

美作市若年がん患者妊孕性温存治療支援事業助成金交付要綱

令和2年9月30日 告示第131号

(令和3年7月27日施行)