○美作市環境保全条例
平成17年3月31日
条例第149号
(目的)
第1条 この条例は、市民が安全かつ快適な生活を営む上において環境の保全が極めて重要であることから、関係法令及び岡山県条例に特別な定めがあるもののほか、事業者、市及び市民の環境の保全に関する責務を明らかにし、環境の保全、公害の防止に関し必要な市の施策の基本となる事項を定めることにより、市民の健康を保護するとともに、生活環境を保全し、もって市民の福祉の増進に寄与することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において、「公害」とは、事業活動その他人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる大気汚染、水質の汚濁(水質以外の水の状態又は水底の底質が悪化することを含む。以下同じ。)、土壌の汚染、騒音、振動及び悪臭によって、人の健康又は生活環境に係わる被害が生ずることをいう。
2 この条例にいう「生活環境」には、人の生活に密接な関係のある財産並びに人の生活に密接な関係のある動植物及びその生育環境を含むものとする。
(1) 燃料その他の物の燃焼に伴い発生する硫黄酸化物
(2) 燃料その他の物の燃焼又は熱源としての電気の使用に伴い発生するばいじん
(3) 物の燃焼、合成、分解その他の処理(機械的処理を除く。)に伴い発生する物質のうち、カドミウム、塩素、フッ化水素、鉛その他人の健康又は生活環境に係わる被害を生ずるおそれがある物質(第1号に掲げるものを除く。)
4 この条例において「粉じん」とは、物の破砕、選別その他の機械的処理又は堆積に伴い発生し、又は飛散する物質をいう。
5 この条例において「有害ガス」とは、人の健康又は生活環境に障害を及ぼす気体状又は微粒子状の物質(ばい煙及び粉じんを除く。)をいう。
6 この条例において「汚染質」とは、工場若しくは事業場・施設(以下「工場等」という。)から発生し、排出し、飛散するばい煙、粉じん、汚水(温水及び廃液を含む。以下同じ。)又は有害ガス、騒音、振動及び悪臭をいう。
7 この条例において「産業廃棄物」とは、工場等における事業活動に伴って生ずる汚泥、廃油、ピッチ、合成樹脂くずその他の廃棄物(ばい煙、粉じん、汚水及び有害ガスを除く。)をいう。
8 この条例において「生活排水」とは、炊事、洗濯、入浴等人の生活に伴い公共用水域に排出される水(排出水を除く。)をいう。
(事業者の責務)
第3条 事業者は、その事業活動に伴って生ずる公害、生活環境の破壊、汚染を防止するために必要な措置を講ずるとともに、市が実施する生活環境の保全、公害の防止に関する施策に協力しなければならない。
(市の責務)
第4条 市は、市民の健康を保護し、生活環境を保全するため、自然的、社会的条件に応じた環境保全に関する施策を策定し、これを実施するものとする。
(市の施策)
第5条 市は、公害の状況を把握し、公害の防止のための措置を適正に実施するために必要な監視、測定、試験及び調査の体制の整備に努めるものとする。
2 市は、公害の予測に関する調査その他公害の防止のために講ずる施策の策定に必要な調査を実施するものとする。
3 市は、生活環境の保全及び公害に関する知識の普及を図り、環境の保全及び公害の防止の思想を高めるとともに、市民の自主的活動の助長に努めるものとする。
4 市は、土地の開発、企業の誘致等地域の開発及び整備に関する施策の策定及び実施に当たっては、環境の保全、公害の防止について配慮するものとし、岡山県県土保全条例(昭和48年岡山県条例第35号)及び美作市開発事業の調整に関する条例(平成17年美作市条例第22号。以下「開発条例」という。)により対応する。
(市民の責務)
第6条 市民は、日常生活において互いに生活環境を損なうことのないように心がけ、進んでその整備に努めるとともに、市が実施する生活環境の保全に関する施策に協力する等環境の保全に寄与するように努めなければならない。
(公害防止計画の協議)
第7条 公害が発生し、又は発生するおそれがあると認められる工場等を設置しようとする者は、あらかじめ公害防止計画について市長と協議しなければならない。
2 前項の規定による協議には、次に掲げる事項を記載した届出書を市長に提出しなければならない。
(1) 氏名又は名称及び住所並びに法人にあってはその代表者
(2) 工場等の名称及び所在地
(3) 施設の種類
(4) 施設の構造
(5) 施設の使用方法
(6) 汚染質の処理方法
(7) その他市長が必要と認める事項
3 前項の規定による届出には、施設の配置図その他規則で定める書類を添付しなければならない。
(協定等の締結)
第9条 市長は、公害防止のため必要があると認めたときは、工場等を設置する事業者との間に公害防止に関する協定等を締結するものとする。
(産業廃棄物の処分)
第10条 産業廃棄物を排出する者及びその者の委託を受けて産業廃棄物を処理する者(以下「産業廃棄物排出者等」という。)は、その加工品を産業廃棄物処理施設以外で処分し、又は加工してはならない。
2 産業廃棄物排出者等は、産業廃棄物であって大気の汚染、水質の汚濁、土壌の汚染又は悪臭の発生の原因となる物質を含むものを投棄し、又は埋没してはならない。
3 産業廃棄物排出者等は、前2項の規定を遵守するとともに、自ら処分しない産業廃棄物についても、物理的、化学的処理を行う等、生活環境の保全に努めなければならない。
(家畜飼養施設の維持管理及びふん尿の適正処理)
第11条 家畜の飼養施設(以下「家畜施設等」という。)を管理する者は、ふん尿その他汚物、汚水等の処理施設の設置に努めるとともに、これを衛生的に維持管理し、悪臭の発生を防止し、及びふん尿を公共用水域に流出しないように努めなければならない。
(緩衝地帯の設置)
第12条 工場等及び家畜施設等を管理する者は、生活環境を保全するために必要な緑地等緩衝地帯を設けるように努めなければならない。
(清潔の保持)
第13条 土地又は建物の占有者(いない場合は、管理者とする。以下同じ。)は、その占有し、又は管理する土地若しくは建物を清潔に保つように努めなければならない。
2 何人も、公園、広場、キャンプ場、道路、河川、湖沼池その他の公共の場所を汚さないようにしなければならない。
(自然環境の保護)
第14条 何人も、河川、湖沼池、山林等の自然を保護し、みだりに自然環境を破壊しないように努めなければならない。
(燃焼不適物の焼却禁止)
第15条 何人も、住居が密集する地域内又は公共用施設周辺でみだりにゴム、皮革、合成樹脂、廃油その他燃焼に伴って、悪臭が生じ、又は著しいばい煙及び有毒ガスが発生するおそれのあるものを多量に焼却してはならない。
(騒音の防止)
第16条 何人も、住居の環境が良好である地域その他特に深夜における騒音の防止を図る必要がある地域又は学校、病院その他これらに類する施設の周辺の地域においては、他人の睡眠を著しく妨げ、又はこれらの施設における教育、医療その他の活動を妨げる騒音を発してはならない。
(生活排水の汚濁負荷量の削減)
第17条 何人も、公共用水域の富栄養化の防止のため、生活排水に含まれる窒素、りん含有物及び有機性汚濁物質の削減に関し、家庭において次の事項の実施に努めるものとする。
(1) ちゅう房で生ずる調理くず及び使用済食用油の排水溝への流失防止
(2) 家庭用洗剤の適正使用及び石けんの積極的な使用
(3) し尿浄化槽の適正な維持管理
(緊急時の措置)
第18条 市長は、工場等から発生し、排出し、又は飛散する汚染質によって、人の健康又は生活環境を著しく損ない、又は損なうおそれがあると認めるときは、当該汚染質を発生させ、排出し、又は飛散させている者に対し、その発生し、若しくは排出し、又は飛散する汚染質の量等の減少又はその発生若しくは排出、飛散する汚染質の一時停止の措置を講ずるよう勧告し、又は命ずることができる。
(報告及び調査)
第19条 市長は、この条例の施行に必要な限度において、汚染質を発生させ、排出し、又は飛散させる者その他の関係者から施設の状況その他の必要な事項について報告を求め、又は関係職員に、当該関係者の工場等その他の場所に立ち入らせ、その者の帳簿書類、施設その他の物件を調査させることができる。
2 前項の規定により立入調査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。
3 第1項の規定による立入調査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(委任)
第20条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
(罰則)
第21条 次の各号のいずれかに該当する者は、3万円以下の罰金に処する。
(1) 第7条第2項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成17年3月31日から施行する。
3 施行日の前日までにした行為に対する罰則の適用については、なお合併前の条例の例による。