○美作市森林整備促進条例
令和6年10月3日
条例第31号
(目的)
第1条 この条例は、森林整備について基本理念を定め、市の責務並びに森林所有者、森林組合、市民等及び事業者の役割を明らかにするとともに、森林整備について基本となる事項を定めることにより、森林整備に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって本市の豊かな森林の保全及び創造に寄与することを目的とする。
(1) 森林 市内に存する森林法(昭和26年法律第249号)第2条第1項に規定する森林をいう。
(2) 山林 森林のうち、不動産登記規則(平成17年法務省令第18号)第99条に規定する地目が山林又は保安林であるものをいう。
(3) 森林所有者 森林の土地を所有する者又は森林の土地にある木竹を所有し、若しくは育成することができる者(国、県その他これらが設立した法人を除く。)をいう。
(4) 多面的機能 土砂流出及び山地崩壊の防止、水資源の貯留等の水源のかん養、自然環境の保全、地球温暖化の防止、保健休養、木材その他の林産物の生産及び供給その他森林の有する多面にわたる機能をいう。
(5) 経営管理権集積計画 森林経営管理法(平成30年法律第35号)第4条の規定により、市が経営管理権を集積することが必要かつ適当と認める場合に定める計画をいう。
(6) 森林整備 森林の有する多面的機能を持続的に発揮させるため、森林を守り育てるとともに活用することをいう。
(7) 森林経営計画 森林法第11条の規定により、森林所有者又は森林の経営の委託を受けた者が、自らが森林の経営を行う一体的なまとまりのある森林を対象として、森林の施業及び保護について作成する計画をいう。
(8) 森林組合 市内に所在する森林組合法(昭和53年法律第36号)に規定する森林組合をいう。
(9) 市民等 市内に居住し、通勤し、又は通学する個人及び市内において事業若しくは活動を行う個人又は法人その他の団体をいう。
(10) 事業者 市内において、森林の施業並びに木材その他の林産物の生産、加工及び流通の事業を行う者をいう。
(基本理念)
第3条 森林整備を推進するにあたり、次に掲げる事項を基本理念とする。
(1) 森林が市民共有の財産であることを認識し、将来にわたって森林のもたらす恵みを享受することができるよう、長期的な展望を持ち、地域の特性に応じて推進するものとする。
(2) 森林の有する多面的機能についての理解を深め、市、森林所有者、森林組合、市民等及び事業者の適切な役割分担並びに相互の連携及び協力のもとに、継続して推進するものとする。
(3) 森林の有する多面的機能を持続的に発揮させるため、所有者自らが適正な整備を行うことができない場合に、市が総合的かつ計画的に整備することにより、豊かな森を守り育て、貴重な森林資源を次世代に継承するものとする。
(市の責務)
第4条 市は、前条の基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、森林整備に関する総合的かつ計画的な施策を実施するものとする。
(森林所有者の役割)
第5条 森林所有者は、森林経営管理法第3条第1項の規定及び基本理念にのっとり、森林整備の重要性を深く認識し、自ら所有し、育成する森林について、適正な整備及び保全を推進し、森林の有する多面的機能が十分発揮されるよう努めるものとする。
2 森林所有者は、基本理念にのっとり、自ら所有し、育成する森林について、適正な整備及び保全を行うことができない場合は、市、森林組合又は事業者に経営管理権を委ねる等の措置を講じるものとし、その所有する山林の所有権について放棄を望む場合は、市へ当該山林の寄附を申し出ることができるものとする。
(森林組合の役割)
第6条 森林組合は、基本理念にのっとり、森林管理の中核的な担い手として、木材その他の林産物の生産、供給等を通じて森林整備に積極的に取り組むよう努めるものとする。
2 森林組合は、森林の管理が適正に行われるよう当該組合員に積極的に働きかけるとともに、森林経営計画による森林の集約化を推進するよう努めるものとする。
3 森林組合は、第9条の市が実施するアンケート調査に協力するよう努めるものとする。
4 森林組合は、市が実施する森林整備に関する施策に協力するよう努めるものとする。
(市民等の役割)
第7条 市民等は、基本理念にのっとり、森林の有する多面的機能が市民共有の財産であることを認識し、森林整備に関する活動に積極的に参加するとともに、市産材の利活用に努めるものとする。
(事業者の役割)
第8条 事業者は、基本理念にのっとり、その事業の実施に当たっては、森林の有する多面的機能が持続的に発揮される森林整備に努めるとともに、木材その他の林産物の循環利用が可能な森林整備に努めるものとする。
2 事業者は、森林整備を担う人材の育成に積極的に取り組み、事業実施体制の強化に努め、森林経営計画による森林の集約化を推進するよう努めるものとする。
3 事業者は、第9条の市が実施するアンケート調査に協力するよう努めるものとする。
4 事業者は、市が実施する森林整備に関する施策に協力するよう努めるものとする。
(森林組合等への調査)
第9条 市は、森林組合及び事業者に対し、経営収支、雇用形態等の状況等に係るアンケート調査を実施し、森林組合及び事業者への効果的な支援等に努めるものとする。
(山林の寄附)
第10条 市は、森林所有者が、その所有する山林について適正な整備又は保全を行うことができない場合であって、当該山林の所有権の放棄を望むときは、規則で定めるところにより、その寄附を受けるものとする。
2 市は、森林所有者が、相続等により取得した山林の所有権を国庫に帰属させることを望む場合は、国の関係機関と連携を行い、当該森林所有者に対し、前項に規定する寄附の制度について、情報提供を行うものとする。
(林業及び木材関連産業の発展)
第11条 市は、森林の整備及び活用を促進するため、森林施業の効率化、林業及び木材関連産業の経営基盤の強化その他必要な措置を講じるものとする。
(市産材の利用の拡大)
第12条 市は、市産材の利用の拡大を図るため、住宅等への活用の促進、市民に対する理解の促進、公共事業への利用の推進その他必要な措置を講じるものとする。
(協働による森林整備)
第13条 市は、自治体間又は民間企業との協働による森林整備を推進するため、他の自治体又は民間企業との協働による森林整備事業を展開し、森林整備に関する活動支援、情報提供その他必要な措置を講じるものとする。
(実施状況の公表)
第14条 市は、森林経営管理法第3条に規定する責務を果たす面積の目標値及び同法第5条に規定する経営管理意向調査の結果を公表するものとする。
(財政上の措置)
第15条 市は、この条例に基づく施策を実施するため、必要な財政上の措置を講じるよう努めるものとする。
(立入調査)
第16条 市は、この条例の施行に関し必要な調査のため、職員を森林に立ち入らせることができる。
2 前項の規定により立入調査をする職員は、身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しならなければならない。
3 第1項の規定による立入調査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(関係法令の遵守等)
第17条 何人も、森林に立ち入る際には、関係法令を遵守するとともに地域の社会慣習を尊重し、森林環境の保全に努めなければならない。
(委任)
第18条 この条例に定めるもののほか、必要な事項は、規則で定める。
附則
この条例は、公布の日から施行する。