○美作市特定太陽光発電事業に係る地域社会に対する影響評価条例
平成30年9月26日
条例第24号
(目的)
第1条 この条例は、特定太陽光発電事業(以下「事業」という。)の実施に当たり、あらかじめ地域社会に及ぼす影響の評価を行うことが、災害の防止、景観との調和、自然環境及び生活環境の保護等の観点から極めて重要であることに鑑み、地域社会に対する影響評価が適切かつ円滑に行われるための手続その他所要の事項を定めることにより、地域住民等にもたらす悪影響を未然に防止し、もって安全・安心で豊かな地域社会の発展に寄与することを目的とする。
(1) 太陽光発電設備 再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法(平成23年法律第108号。以下「特措法」という。)第2条第2項に規定する再生可能エネルギー発電設備のうち、同条第3項第1号に規定する太陽光を再生可能エネルギー源とする設備(送電に係る電柱等を除く。)をいう。ただし、建築物(建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第1号に規定する建築物をいう。以下同じ。)の屋根その他の当該建築物を構成する部分に設置されているものを除く。
(2) 事業区域 特措法第9条の規定による経済産業大臣の認定に係る太陽光発電事業ごとの一団の土地で構成される区域のうち、市の区域内のものをいう。
(3) 特定太陽光発電事業 太陽光発電設備を使用して発電を行う事業、太陽光発電設備を設置する事業又は太陽光発電設備を設置するため樹木の伐採、土地の造成等区画形質の変更を行う事業であって、次のいずれかに該当するものをいう。
ア 事業区域内に設置される太陽光発電設備(当該事業区域に近接した場所に設置され、又は設置される予定の他の太陽光発電設備であって当該太陽光発電設備と一体性を有すると市長が認めるものがあるときは、当該他の太陽光発電設備を含む。イにおいて同じ。)に係る太陽光パネルの最大出力(産業標準化法(昭和24年法律第185号)第20条第1項の日本産業規格C8960に規定する最大出力をいう。以下同じ。)の合計値が1メガワット以上の事業
イ 事業区域の全部又は一部に、次のいずれかに該当する区域であって市長が告示で定めるものが含まれる事業(当該事業区域内に設置される太陽光発電設備に係る太陽光パネルの最大出力の合計値が10キロワット以上のものに限る。)
(ア) 土砂災害その他自然災害の発生するおそれがある区域
(イ) 地域を象徴する優れた景観として良好な状態が保たれている区域
(ウ) 歴史的又は文化的な特色を有している区域
(エ) 良好な営農条件を備え、農地としての利用が優先される区域
(オ) 良好な住環境が保たれている区域
(4) 地権者 事業区域内の土地につき、所有権その他の使用権を有する者をいう。
(5) 地域住民等 次に掲げる者をいう。
ア 地権者
イ 事業区域に近接する土地又は建築物の所有者及び事業区域が活動範囲に含まれる地方自治法(昭和22年法律第67号)第260条の2に規定する地縁による団体その他これに類する団体
ウ 事業の実施に伴い雇用を喪失する者として市長が認めるもの
(6) 事業者 市の区域内において事業を実施し、又は実施しようとする者及びその地位を承継した者をいう。
(市の責務)
第3条 市は、第1条に定める目的を達成するため、この条例の適正かつ円滑な運用を図らなければならない。
(事業者等の責務)
第4条 事業者並びに事業者との契約等に基づき太陽光発電設備を管理する者及び事業に関する業務の一部を請け負う者は、関係法令(岡山県条例を含む。)及びこの条例を遵守し、市民の生活環境の保持及び保全に十分配慮するとともに、地域住民等の意見を聴き、可能な限りその意見の尊重及び対応に努めなければならない。
(届出)
第5条 事業者は、第2条第3号アに該当する事業を実施しようとする場合には、当該事業に着手しようとする日の90日前までに、事業届出書に次に掲げる書類を添え、市長に届け出なければならない。
(1) 当該事業に係る再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法施行規則(平成24年経済産業省令第46号)第4条の2第1項に規定する申請書の写し及び同条第2項各号に規定する添付書類の写し
(2) 太陽光パネルの風圧に対する強度を示す資料、太陽光の反射等による被害を防止するため措置の内容がわかる資料その他地域住民等の住環境への影響及びその対策に関する書類
(3) 事業が市の観光産業にもたらす影響を示す資料、事業により雇用を得、又は失う者の数、勤務体系等がわかる資料その他地域住民等の経済活動に与える影響及びその対策に関する書類
(4) 排水施設の設置等土砂等の流出及び崩壊を防止する措置の内容がわかる資料その他事業が市の自然環境に与える影響及びその対策に関する書類
(5) 工事車両による騒音、砂塵による大気汚染、排水による水質汚濁等事業に伴う工事による影響及びその対策に関する書類
(6) 太陽光発電設備の維持管理計画書、太陽光発電設備の撤去費用が確保されていることを示す資料その他事業が将来的に市に与える影響及びその対策に関する書類
(7) 太陽光発電設備の設置が完了した場合の完成予想図
(8) 当該事業に関し地権者の同意を得たことを証する書類
(9) 地域住民等に対し、事業についての説明を行ったことを証する書類
(10) 前各号に掲げるもののほか、市長が必要と認める書類
3 事業者は、前2項の規定により届け出た事項に変更が生じた場合には、速やかにその旨を市長に届け出なければならない。
4 事業者の地位を承継した者は、速やかにその旨を市長に届け出なければならない。
5 前各項の規定によるほか、市長は、災害の防止、景観との調和、自然環境及び生活環境の保護等の観点から特に必要があると認める場合には、相当の期間を定め、事業者に対し事業に関する事項の届出を求めることができる。この場合においては、当該事業者は、当該期間内に当該届出を行わなければならない。
2 市長は、前項の規定により聴取した意見を取りまとめ、公表するものとする。
(1) 事業が地域住民等の住環境に与える影響
(2) 事業が地域住民等の経済活動に与える影響
(3) 事業が市の自然環境に与える影響
(4) 事業に伴う工事による影響
(5) 事業が将来的に市に与える影響
(6) 事業についての地域住民等の同意の状況
(7) 前各号に掲げるもののほか、市長が必要と認める内容
(審査)
第8条 市長は、前条の評価書案の内容について、あらかじめ美作市総合戦略推進会議(以下「会議」という。)に意見を求めることができる。
2 会議は、前項の規定により求めのあった評価書案の内容について審査し、その結果を市長に具申するものとする。
3 市長は、前項の規定による審査結果を受けた場合には、これを公表するとともに、事業者へ通知するものとする。
2 市長は、評価書を作成した場合には、これを公表するとともに、事業者へ通知する。
3 市長は、事業者に対し、必要な意見を述べることができる。
(助言及び勧告)
第11条 市長は、次の各号のいずれかに該当する場合には、事業者に対し必要な措置を講ずるよう助言することができる。
(1) 次のいずれかに該当する場合
ア 第5条各項の規定による届出(当該届出に係る添付書類の提出を含む。以下この号において同じ。)をせず、又は虚偽の届出をした場合
(2) 事業を実施した場合における地域住民等への好影響に比して悪影響の度合いが明らかに大きいと認められる場合
(3) 事業についての地域住民等の同意の状況が十分でないと認められる場合
2 市長は、前項の規定による助言を受けた事業者が、正当な理由なく当該助言に従わない場合には、期限を定めて必要な措置を講ずるよう勧告することができる。
(通報)
第12条 市長は、前条第2項の規定による勧告を受けた事業者が、正当な理由なく当該勧告に従わない場合には、当該勧告の内容その他必要な事項を関係機関の長に通報するものとする。
(報告及び立入調査)
第13条 市長は、この条例の施行に必要な限度において、事業者に対し報告若しくは資料の提出を求め、又は市の職員に事業区域に係る土地に立ち入らせ、当該事業に関する事項について調査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
2 前項の規定により立入調査をする市の職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
3 第1項の規定による立入調査は、これを犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(委任)
第14条 この条例の施行に関し、必要な事項は、規則で定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は、公布の日から施行する。
(経過措置)
2 本条例の施行の日(以下「施行日」という。)から90日を経過する日までの間に事業に着手しようとする者のこの条例の適用については、第5条第1項中「当該事業に着手しようとする日の90日前までに」とあるのは、「速やかに」とする。
(適用区分)
3 施行日において既に当該事業に係る工事が開始されている事業のうち、市との協定その他の必要な対策を行っているとして市長が特に認めるものについては、この条例の規定は、適用しない。ただし、当該事業について第5条第5項の規定による届出を要すると市長が認める場合におけるこの条例の規定中当該届出に係る部分の適用については、この限りでない。
附則(令和3年11月22日条例第22号)
この条例は、公布の日から施行する。
附則(令和4年9月27日条例第20号)
この条例は、公布の日から施行する。